ボクシングで左目の眼窩底骨折をして、手術をした。年齢的、肉体的にもやり尽くした感じがした。私は選手としてのボクシング生活を終えた。
丁度この時、リハビリテーション病院での働き方に違和感を感じていた。
当時働いていた回復期リハビリテーションでは「FIM利得」という基準が強く貞評されていた。
FIMとは機能的自立度評価表の事で日常生活のどこに介助が必要かを明確にする評価方法で、運動項目(食事、整容、排泄、移乗、移動など)と認知項目(コミュニケーション、社会認識など)の計18項目を1~7点で評価して18~126点で評価をするものだ。この評価方法はアメリカの保険会社が考案したもので、1点マイナスされる毎に約1.6分の介助時間がかかると設定されている。
このFIMが入院時より退院時に上がっていればリハビリとして効果があったと言われるのがFIM利得だ。
この時私は、患者さんの介助量を少なくしていくことはいいことだが、私の生産性が介護者の仕事量を減らすために使われているような気がしていた。そんな中で自分の知識や技術をもっとアクティブに活用することはできないだろうかという考えるようになっていた。
そもそも理学療法士を志したきっかけも、本来のリハビリの概念である、ケガや病気で機能が低下したマイナスの状態をノーマルの状態に戻す。というよりも、ノーマルの人をスーパーに、スーパーの人をハイパーに、ハイパーの人をウルトラに!!という考えで身体のプロになりたいと思ってのことだった。
福岡で学生時代アルバイトをしていた整骨院があった。福岡に帰省する際にはよく挨拶にも行っていたし、ここなら私がやりたいことも出来るのではないかと感じていた。
社長に思いを伝えたところ快く受け入れてくれた。
福岡へ帰省を決める。
アルバイト時代はまだ一つ目の整骨院をオープンしたばかりでスタッフも少ない人数だったが、私が帰省を決めた頃には3つの整骨院を運営する会社へと成長していた。
病院から整骨院に転職して様々な環境の変化に身体も心も頭も順応させるのに少し時間がかかった。
病院で働いている頃は患者さんは勝手に入院してくるものだと思っていた。誰かが退院すれば誰かが入院してくる。次の人は順番待ちのように並んでいる。これが当たり前だった。しかし整骨院では、集客能力もとても重要な項目だった。
病院での働き方のイメージでは、まな板に魚はのっている。それをセラピストが調理して提供する。整骨院では魚の仕入れから自分でしていかないといけない。病院で勤務している時は全く考えたことがなかった…
そしてもう一つは「士」と「師」の違いだ。
理学療法士は特定の資格を公認されたものとしての「士」を使う。整骨院で一緒に働いていた柔道整復師や鍼灸師は先生としての「師」を使う。
病院ではある程度症状や経過の申し送りが在ったり、ドクターの診断の元でリハビリの処方が出る。それをセラピストがオーダーに対して施術を行う。整骨院では来院された患者さんに対してセラピストが評価し状態を把握したうえで施術を行う。
少しは施術が出来るくらいで、出来る気がしていた自分が甘かった…
現場では新人として沢山学ばせて頂いた。
会社の中では有難いことに幹部としてマネージャーを任された。会社の仕組みづくり骨格づくりに尽力させて頂いた。
今の会社の経営理念、基本方針、行動目標・指針、人事評価制度などこれらの導入をさせて頂いた。社長をはじめスタッフの協力があってのことではあるが、振り返ってみれば手探りの状態でよくやったものだと自分なりに感心する。笑
約4年の下積みを経験した頃、社長から新規オープンの話しを頂いた。
新設される商業施設内に出す院で、この頃には整骨院を4院運営しており、5院目の話しだった
そして今回は保険請求の利く整骨院ではなく完全自費の院で、全く新しいビジネスモデルとしてのスタートだった。
店舗のコンセプトからネーミング、ロゴマーク、部屋やベッドの配置決め、内装、備品、メニュー作り、全てが初めての手探りだった。
2020年3月27日オープン!!
オープン初日から翌日は大盛況だった。
この頃はあんなことが起こるとは思ってもいなかった。
そう、新型コロナウイルス感染症(COVIT-19)だ…
オープンしたての店舗には大打撃だった…
お客さんが0の日も少なくなかった。
スタッフ間で練習したり、SNSやyoutubeの作成などできることはやっていたが苦しかった…
7月頃にいったん緩和した時盛り上がりは出せたが、すぐに第2波…
スタッフ間の人間関係の構築にも悩まされ、毎日がいっぱいいっぱいだった…
家族との時間も少なくなり、なにをやってもうまくいかず、自暴自棄にもなりかけていた。
当時の自分にアドバイスしたいことは沢山あるが当時の私には何も伝わらなかっただろう…聞く耳も、心も、そして身体も何一つ整っていなかったし、全てが空回っていた。
忘れもしない2022年1月。私はとある自己啓発セミナーに通い始めた。そこから人生の歯車は動き出した。
このコミュニティに関してはまた後程詳しく綴らせて頂く。
オープンして2年が経ち、徐々にではあるがお客さんもついてきてくれて、最近では予約もいっぱいになってきて、お客さんから予約が取れないとクレームまで頂けるようになってきた。
とはいうものの予約で埋まるのは自分だけで、ほかのスタッフの成長を引き出せていないのが今の私の一番の課題だ。
病院から会社に転職して、医療という考えからビジネスという考えに大きくマインドをシフトした。自分の持っている商品でお客さんの問題解決をして、笑顔に変えていく。これが成立した時はとても嬉しい。これからも自分自身、スタッフ、お客さんと沢山の方を沢山笑顔に変えていきたいと日々精進している。